味わいとともに持ち込まれたものは・・・CEMENT COASTERもあります

昨日ご紹介したPull Push Products.さんのコースター。カンの良い方ならお気づきかもしれませんが、同時にもう一種類入荷しています。

その前に本日は土曜日。
今週も新型コロナ感染拡大防止の観点から週末の営業は土曜日のみ、明日5/16(日)は臨時休業とさせていただきます。

また土曜日ですが、やはり週末恒例の猫スタッフは出勤しておりません。
三姉妹とも元気に自宅待機中ですので、ご心配なく。
また再会できる日を楽しみにしております。

さてもう一種類の製品とは?
モルタルの表面に小石が露出した「CEMENT COASTER」です。

今回が二回目の入荷の「MAP COASTER」に対して、こちらは当店の開店間もない頃から何回も入荷している製品。根強い人気があるのですが、やはり完全ハンドメイドの製品で製造に時間がかかるため、お店にある時のほうが珍しいという状態になってしまっています。

実は昨年夏の奈良 蔦屋書店さんのPOPUPに出品したかったのですが、うまく入荷することができずに断念していました。その代打としてやって来たのがMAP COATERで見事ホームラン・・・というわけだったのです。

さて話をCEMENT COASTERに戻します。

モルタルの上に砂利が顔を出す仕上げは「洗い出し」と呼ばれる日本に古くからある左官技法。日本家屋の壁や床などに多く用いられ、玄関土間などでもよく目にするものです。どこか懐かしい、日本人のDNAに深く刻まれた味わいを持っているように思います。

作り方としてはモルタルに小石を埋め込み、そのモルタルが乾いて硬化する前に表面に水を噴射したりブラシがけしながら洗い流すことで、余分なモルタルが流され、このような仕上げになるのだそうです。気温や湿度などによって硬化のタイミングを適切に見極める技が要求される左官技術だと言われています。

そんな「洗い出し」は日本家屋だけでなく現代の住宅やエクステリアの仕上げとして用いられています。ガラスや色とりどりの小石など、現代的なセンスで和洋問わず様々なテイストの建築に使われているようです。
理由は美しさに加えて高い機能性を持っていること。
なめらかな表面のコンクリートと比べ、表面の砂利が適度な滑り止めの役割を果たすので、小さな子どもやお年寄りの転倒防止に役立つほか、小石が多く入ることで強度が増し長持するとか、ガレージのアプローチや床材としても、美肌のコンクリートのようにタイヤの跡が残らないとか。



そんな建築素材を卓上で使うCEMENT COASTERですが、やはりモルタルの素材感と小石の美しく不揃いなかたちを眺めているだけで、卓上に豊かな質感と味わいを加えてくれます。
しかも見た目だけではありません。モルタルの重量感とやはり裏面に施されたクッション材の効果で、グラスをしっかりとしっとりと受け止めてくれるのですが、なにより表面に露出した小石とグラスが接する瞬間のカチッという硬質な音がとても小気味よいのです。
視覚だけなく、触覚や聴覚をも巻き込んだ味わい深さ。

そしてMAP COASTERと同様に、モルタルがグラスの汗を吸収してくれ、重みのおかげでグラスにくっつくこともなく、使い心地はストレスフリー。一方、洗い出し仕上げのおかげで、こちらは「経年変化」「年季が入る」も少し穏やか。さっと表面を拭えば仮にコーヒーがこぼれてもさほど跡は残らないと思います。


そう、建築の素材をインテリアに持ち込むPull Push Products.は、この製品では味わいだけでなく、その高い機能性までをも卓上に持ち込むことに成功しているのです。
そんな逸品。人気があるのも頷けます。

[Motif/Pull Push Products.] CEMENT COASTER Mサイズ ¥1,375(¥1,250+税)