少し先のお話ですが、奈良の秋と言えばお馴染みの正倉院展。8月の終わりに日程などについて発表がありましたので、ちょっとご紹介します。
まず、2021年も新型コロナウイルス感染防止対策で館内の混雑を避けるため、当日券の販売は無く、日時指定の前売り券のみだそうです。場所はもちろん奈良国立博物館、期間は10月30日から11月15日まで。
毎年この正倉院展を見に行かれるお客様も多く、「今年は地味だった」「今年は素敵だった」などのお話を店頭で聞くのも秋の楽しみの一つなのですが、昨年は観に行けた方も少なかったので、そういったお話も殆ど聞けませんでした。
今年も事前に日時指定のチケットを買わなければいけませんし、何よりそのチケットもいつもの正倉院展に比べてかなり少ない枚数と聞きます。「ゆっくり観られてよかった」という話もあるのですが、行きたい人がなかなか行けない、というのもちょっと寂しいですね。
また枚数が限られていたためか、昨年は気付いた時には売り切れていた、というお声を多く聞きました。「毎年行っていたけどチケットが取れなくて諦めた」という方はかなりいらっしゃるかと思うので、今年は早めにお知らせです。
チケット発売は9月25日ですので、ぜひスケジュールに入れておいていただければと思います。
※写真は過去に開催された正倉院展の絵葉書です。今回の出展物とは関係ありません。
さて今年の宝物は全部で55件。うち8件が初公開だそうです。公開された情報を見ると、素人目にですが今年の「第73回正倉院展」、けっこう華やかな感じです(個人の感想です)。
聖武天皇の遺愛品と言われる丸い胴の弦楽器「螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)」や、ハスの花のかたちをした香炉台「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」。地中海周辺で作られたとみられるガラス製のうつわ「白瑠璃高坏(はくるりのたかつき)」なども今年の目玉のようですね。
また、東大寺大仏開眼会で笛を演奏した人がはいていたとみられる靴下「笛吹襪(ふえふきのしとうず)」も、実物と復元模造品が展示されます。実物はかなり傷みがあるため、模造品で当時の様子をよりリアルに拝見しましょう、ということだとか。さらに今回は筆や墨・硯・紙などの文房具がまとまった点数出陳されるのも特徴だそうです。
毎年この時期に遠方から旅行にいらっしゃる方も多く、当店も以前はかき入れどきでした。1年ぶりにいらっしゃる遠方のお客様にお会いするのも楽しみでしたし、もちろん近隣の方も多くいらっしゃる良い時期だったのですが。
今年はどうでしょうか。
少しでも今の状況が改善し、奈良に来てくださる方がいらっしゃるよう、願います。