奈良県知事公舎のふしぎ

ふと思いました。
というか、ずっと疑問に思っていたことがありました。
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「奈良県知事公舎の壁ってなんでライトアップされてるんだ?」

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「奈良県知事公舎」とは、奈良公園西部の一角にある、大きな日本家屋です。 すぐ東に日本庭園の吉城園 があり、現在ではバスターミナルの道を挟んで東側、というとわかりやすいかもしれません。
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このお屋敷、 表門には現職の荒井正吾知事の名字「荒井」の表札が以前はかかっていました。 

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知事のおうち、住んでないけど。とずっと思っていたのですが、あるときからそのお屋敷の白い壁がライトアップされはじめたのです。夏の間とか、ほんの一時期のことかと思っていましたが、気付けは1~2年ずっとライトアップしてない?と最近妙に気になっていたのです。

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で、調べてみるとこちらのライトアップは2019年の8月からだったそうで、ちょうど2年ですね。知事曰く、「東京の桜田門にこのような壁のライトアップがあり、これがもし評判がよければ大宮通りの民間の白壁などもライトアップしたい」と仰っていた・・・そんな記録が残っています。

その当時の予定では次の年(2020年)の3月までだったようですが、評判が良いのか悪いのかは別として、それからずっとライトアップしてるというわけですね。まさか桜田門の真似だったとは・・・。まあ、理由がわかった(延長ライトアップの理由はわかりませんが?)ので良かったです。
ちなみにこのライトアップ、写真を撮るために何度かわざわざ前を通ったのですが、最近はやってたりやってなかったり。本当に謎。

ところで知事公舎って皆さまご存知でしょうか?
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なかなか大きな建物で立派ですが、白い壁に囲まれていますしあまり知られていないかもしれませんね。
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知事公舎は先ほども書きました場所にある建築面積671.48平方メートルの日本建築。かなりの名建築のようですが、調べていると大変興味深いことがわかりました。
実はここにある小さな洋間が、ある歴史的な出来事に関係する重要な場所となっていたのです。

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この知事公舎の洋間、その名も「御認証の間」は、1951年11月、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約の批准書に昭和天皇が署名した部屋なんだそうです。おお!すごい!
上の写真はその当時の様子。バスターミナルにこっそり展示されています。

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それにしても天皇陛下が、なぜ奈良で?
この2つの条約が承認され、当時の吉田茂首相が批准書にサインをしたとき、天皇は奈良で巡幸中だったそうなんです。でも憲法の規定で天皇の署名が必要だったため、当時の官房副長官が奈良へ赴き、天皇陛下のお帰りを待ち構えてこちらのお部屋でサインしていただいた、ということなんだそうです。
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そんな大事な署名がされた場所だなんて、なんだか感慨深いですねえ。ちなみにこのお部屋、もちろん見たことはないですが、とてもモダンで素晴らしい応接間だそうです。入ってみたい!

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そんなアカートの思いを叶えるかのように、奈良県はこの知事公舎と公舎東にある吉城園周辺を観光施設にする方針だそうです。公舎は外観を保ったままレストランに改装し、御認証の間はそのままの姿でライブラリーになる予定で、2020年春にオープンとのこと・・・。

え?2020年春??過ぎてますけど!?

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この計画がどうなったのか、調べてもあまり出てこないので不明なのですが、お隣の吉城園が昨年4月から入場無料になったのは、その計画の一環だったのかもしれませんね。想像ですが。
なんにしても、計画自体はこの新型コロナのゴタゴタでちょっと止まっているのかもしれません。
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今後もし何か進展があればお知らせしたいと思います。

 

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