9月17日(金)、本来なら今日は東大寺二月堂の「十七夜盆踊り」があったはずの日です。新型コロナ感染拡大の影響で、昨年に引き続き今年も盆踊りは中止となってしまいました・・・。
万燈籠と盆踊りは中止ですが、堂内の灯明の受付は行っているそうです。
例年のにぎやかな十七夜ではなく、ひっそりと、しんみりと、観音様の縁日のお勤めが行われることになります。
そんな今年は今夜から明日にかけて、ちょうど台風14号がやって来るようなので、仮にコロナの影響がなくとも、中止か土砂降りだったかもしれません。というわけで過去の写真でも見ながら、再び開催されることを願って、静かにお勤めできればと思います。
写真はすべて一昨年のもの。この時期、日中はまだ暑い日もありますが、朝夕は涼しく、ときには肌寒さすら感じる季節です。
盆踊りといえば文字通り真夏のお盆の催しですが、二月堂の十七夜盆踊りは「関西の踊り終い」とも言われ、奈良だけでなく他府県からもまだまだ踊りたりない「盆踊ラー」たちが参戦してくるのだそうです。
踊る気なんてさらさらなくても、櫓の上の太鼓やエレキの生演奏に、若手からベテランの河内音頭の歌声、そしてそこここで踊り狂う盆踊ラーたちの熱気につつまれると、自然と体が動き出します。
きらびやかなスーツにハット、華麗なステップをみせるダンディなおじいちゃんから、浅黒い肌でお揃いのサテンのハッピでキメた何ザイル?みたいいな集団、あふれる若さが清々しい盆踊りクラブの少年少女に、海外からの観光客や地元のひとたちまでが混ざり合います。とにかくなんとも言えない一体感につつまれて、みなで去りゆく夏を惜しむように踊り続ける夜・・・。
そして盆踊りだけでなく、そうめんやみたらし団子などの屋台も楽しみのひとつです。
地元のひとたちの手による昔ながらの屋台の味。SNSで映えるかどうかなんてお構いなしの超ベタな風情と、想像通りのベタな味が胃袋よりも心にしみます。
そして二月堂の本堂に上がれば、下界の喧騒から離れたいつもどおり静かな空間があります。踊って食べてまったりして・・・思い思いの十七夜を過ごせる楽しく美しいそんなお祭りです。
来年こそは、またこの夜が戻ることを願って、今夜は静かに嵐の夜を乗り切ろうと思います。